2009年02月15日

ベンジャミン・バトン

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ベンジャミン・バトン



 80歳で生まれた謎のベンジャミンの生涯を

 美しく、そして悲惨に表現。
「グレート・ギャッツビー」の
 フィッツジェラルドによる原作の映像化。


評価:★★★★★

【あらすじ(goo映画「ベンジャミン・バトン」より)


1920年代にF・スコット・フィッツジェラルドが執筆した、

80代で生まれ、そこから若返っていくひとりの男の姿を

描いた短編の映画化作品。普通の人々と同じく彼にも

時の流れを止めることはできない。ニューオーリンズを

舞台に、1918年の第一次世界大戦から21世紀に至るまでの、

ベンジャミンの誰とも違う人生の旅路を描く。


【コメント「ベンジャミン・バトン」

アカデミー賞最多ノミネートも納得の素晴らしい映画でした。

ブラット・ピットの演技(特に前半の老齢期部分)に違和感が

なかったことで、非現実の中にリアルさが感じられるという、

SFとして最高レベルの作品でした。原作がどうであったかは

不確かですが、デイジー(K.ブランシェット)の回想という

構成も秀逸。回想シーンが重すぎずに軽すぎない絶妙のバランス。

劇中のケイト・ブランシェットの美貌にはとにかくため息が出る

ばかり。


注意:これより下はネタバレがあります。

【私の視点「ベンジャミン・バトン」

この作品では、常に二項対立が意識されています。

我が子を捨てる白人男性バトン ⇔ その子を育てる黒人女性クイニー
ボタン業を経営する富豪 ⇔ 貧しい黒人一家
美人ではない女性アボット ⇔ 完璧な美人デイジー
などです。

ベンジャミンとデイジーの間に女の子が生まれたときに

医師がベンジャミンに伝えた

“She is a perfect baby.”

という言葉や、2人の夫婦が娘を何度も“perfect”と形容する

点が非常に象徴的だと思います。娘との対立には異常な男

としてのベンジャミンが想定されているわけであり、

そう考えると子どもは女の子である必然性があったということが

言えるのです。



この二項対立が唯一成立しないのがベンジャミンとデイジーの

年齢が「一致」する場面。そこで2人が結ばれるというのは

当然の結果。2人の肉体年齢は一瞬の重なりを見せるものの、

肉体年齢が再び離れていくにつれて2人の夫婦とともに観客は

ため息をつく。「この離れていく肉体年齢」こそが二項対立を

象徴しており、貧富や美醜といった二項対立だけにとらわれた

世界のむなしさを暗示しているように思われる。


私は重要人物の“死に方”に注目していた。死に際に大切な人が

そばにいるのかということに注目するとここでも二項対立が

作り出されているのであった。


かつてベンジャミンを捨てた父・バトンの死にはベンジャミンが
立ち会うが、育ての親クイニーの死に彼が立ち会うことはない。
また、ベンジャミンの死にはデイジーが立ち会うものの、デイジー
の死の瞬間に娘のキャロラインが立ち会うことはない。


このように二項対立が散りばめられていることで、認知症にかかり

デイジーを忘れてしまっていたベンジャミンが死の瞬間に突如

デイジーのことを思い出したということが、実に自然に感じ

られたのであった。


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posted by kt-boy at 03:09| Comment(0) | TrackBack(1) | 劇場公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: ランキング参加中です→ 「グレート・ギャッツビー」で知られる スコット・フィッツジェラルドの原作を映画化。 SF的な設定を感じさないほどリアルな世界を 表現。ブラッド・ピットとケイト・ブラン..
Weblog: チェック&ダブルチェック
Tracked: 2009-02-23 01:16
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