2009年01月17日

K-20 怪人20面相・伝

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K-20 怪人20面相・伝
もし第2次世界大戦が起こらなかったら・・・そんな仮定のもとに設定された舞台は1945年、架空都市「帝都」。明治からの家族制度が残存し、国民間に大きな格差が存在する。そんななか、鮮やかな手口で富裕層を狙うK-20こと「怪人20面相」が世の中を騒がせていた。人気探偵、明智小五郎はサーカス隊員である遠藤平吉がK-20であると捜査を進めるのだが・・・

コメント

主役・平吉役の金城武と、明智小五郎役の仲村トオルが

役柄ピッタリの雰囲気を生み出していることは勿論なの

ですが、本作では國村隼や高島礼子、小日向文世などの

脇役がそれぞれの持ち味を最高に出しているため、見て

いての安心感がありました。前半の修行の辺りも非常に

面白い
ため、2時間半の大作なのですが見ていて飽きない

ところが嬉しいですね。笑いと驚きが満載のエンタメ

作品です。



【これから見る人は「私の視点」は読まないほうが良いと思います。
明らかなネタバレはないようにしていますが、犯人を推測
しやすくしてしまう可能性があります。】


私の視点

@20年前の原作を、現在に映画化した理由は何なのだろう?
A怪人20面相とは何を象徴していたのか?

この2点を鑑賞中に常に意識していました。この作品が

今映画化されたことについてですが、華族制度によって

形成された格差と同じ状況が今の日本にはびこっている

というメッセージを読み取ることができます。この点に

ついては多くの人が読み取られた部分かと思います。

ただこの映画は果たして格差を完全是正しようとしていた

でしょうか?
私はそうでなかったように感じました。

貧乏生活を強いられながらもサーカス隊員として強く

生きていこうとする遠藤平吉や、源吉(國村隼)をはじめ

社会から疎ましの目で見られている泥棒達。それでも

彼らは自らの運命に対して卑屈になることなく、

できることをやろうと生きています。そんなことを考えた

とき、怪人20面相が象徴しているものの答えが出た気が

しました。

怪人20面相の真犯人は、かつて貧乏暮らしを強いられた

ことを恨み、「既存のものを破壊すれば新しい世界が

開かれる」
。そう信じて疑わない人でした。ただそんなことを

したところで結局は世の中を良くすることにはつながり

ませんよね?
現在の日本では日々信じられないような

事件が多発しています。人を殺め「誰でも良かった」と

供述する殺人者たちは怪人20面相と同じようなことを

考えていたのではないでしょうか?

「アクションを起こせば(人を殺せば)何かが変えられる」

というように。怪人20面相はそんな犯罪者たちを象徴して

いた
のではないでしょうか?

平吉がいくら頑張ったところで、帝都における格差が

是正されることはなかったのだと思います。しかし、

少なくとも1財閥グループのあり方を変えることができ

ました。自分の置かれている状況を制度や他人のせいに

することは簡単です。しかしそんな姿勢からは何も

生まれてこない。自分のできる範囲で精一杯生きることで

世の中が僅かでも変わるかもしれない。その積み重ねに

よって社会が構築されていく。そんなメッセージを

読み取ることができました。

最後の最後まで、平吉と葉子が結ばれなくて私は安心

しました。「お互いがお互いの道を行く」という平吉の

言葉に全てが集約されていた気がするからです。


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posted by kt-boy at 19:23| Comment(0) | 劇場公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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