私を震撼させる君の体験を話してくれ。物語のすべてはここから始まった。
ハーバード大医学部に合格を果たしたベン(ジム・スタージェス)を悩ませたのは30万ドルの学費の捻出。奨学金を受けられるのはただ1人。その面接で求められたものは、面接官を驚かせるユニークな体験であった。奨学金を受けられなかったベンであったが、その知力を見込んだミッキー・ローザ教授(ケヴィン・スペイシー)がある打診をする。それはラスベガスのカジノで知力を活かしてぼろ儲けするというものだった。「学費を稼いだらやめる」。良心の呵責に苛まれながら教授のチームに加わることを決意したベンであったが・・・
◇ 私の視点
ある者は働く、ある者は盗む、ある者は賭ける。
手段は異なれ、生きる糧を手にするために人は一心不乱となる。
考えてみればただの紙。
それほど価値を生み出した通貨制度の祖は何を思うだろう。
実話をもとに書籍化され映画化されたこの作品はアメリカでも
絶大な人気であったようだ。今夏までアメリカに留学していた
友人に薦められ手に取ってみた。
カジノのブラック・ジャックで「カウンティング」という手法を用いて
莫大な利益を狙うという話であるが、なにしろ「カウンティング」の
仕組みがわかりにくい。ブラック・ジャックを知らなくとも楽しめる
ようにする狙いなのかとも感じられるが、ルールや仕組みの解説を
極端に絞った構成は、作品自体を単なる友情(恋愛)ストーリー化
してしまうきらいがある。プロットは明快であり面白いのだが、流れが
良すぎて鑑賞後に何も残らないかもしれない。ただし気楽に楽しめる
ことは間違いない。
ブラック・ジャックはトランプで「21」を作るゲームであるため原題は
「21」である。ただ邦題は主題を捉えていないし、センスも感じられ
ないのだが・・・
ラベル:ラスベガスをぶっつぶせ 映画